東京大学大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻
研究内容 | RESEARCH
当研究室の研究について紹介します。
今年度進行中の研究テーマなどについては学生の研究テーマをご覧ください。
学生の研究テーマ
s杉田研の学生の研究テーマについて紹介します。(準備中)
比較惑星学とは、単にいろいろな惑星の観測結果や理論計算結果を比較して議論するものではありません。比較すべき第一の惑星は、当然のことながら我々の住む地球です。なぜ地球が水や生命に満ちあふれた惑星なって我々自身が今存在しているかを答えることが究極の目的です。地球の生い立ちや歴史を知ることが我々にとって非常に大きな関心事であることは言うまでもありません。しかし、地球のみを見ていても、地球の深い理解に至ることは難しいです。例えば、日本という国を知るためには、外国を研究することが非常に有効であるのと同じです。近くの惑星が地球とどんな理由でどのように異なっているかを知ることは、地球の本質を理解することに繋がります。
地球の歴史とは、変動の歴史であると言えます。表層環境の変動は、否応なしにそこに生きる生命に重大な影響を与え、それまで繁栄していた種には容赦ない淘汰の鉄槌がくだされ、脇役だった種には繁栄へのチャンスが与えられます。例えば、白亜紀末の巨大隕石衝突と恐竜の絶滅、その後の哺乳類の繁栄はその最たるものです。当研究室では、地質試料分析や室内実験を手掛かりに、過去の表層環境変動とその要因を推理し、生物大量絶滅や全球凍結と生命・大気の共進化といった、地球史上に起こったミステリーの解明に挑んでいます。
惑星を理解するには、直接に研究対象の惑星に探査機を飛ばして計測を行うことが最も効果的です。あるいは、望遠鏡を用いて観測対象の惑星を分析することも非常に有効です。当研究室では、これまで月や彗星の探査機計画や望遠鏡観測計画に参画して研究を進めてきましたし、今後も月、火星、金星、彗星などの探査や望遠鏡観測を行っていく予定です。ただ、探査計画への参画と一言で言っても様々な形態があります。当研究室では、既に行われた惑星探査データを解析して有意義な情報を抽出するタイプの研究から、探査計画の運用や一次データ解析に関与するタイプの活動、さらには将来の探査計画に使われることを目指して探査機搭載用の測定機器を開発する基礎実験など、いろいろなレベルでの研究活動を行っています。